Saturday, April 20, 2019

アーティストになるために by Jerry Saltz

昨年末に出た、ニューヨークマガジンという雑誌で、「How to be an artist」という記事がありました。あの有名なアート評論家、Jerry Saltzによるものです。
とっても面白かった。
彼はこのネタで本を出す予定らしいです。




簡単に訳すと、こんな感じ。

1. 誰でも最初はアマチュアなんだ
アーティストとしての心構えが必要。恥ずかしがらず、自分のストーリーを伝えられたら、何でも面白くなるのです。真似することから始めたっていい。理解されるようなことをわざわざ作る必要もない。とにかく制作する。キャリアにしたいなら、夢に出てくらい働かないと。

2. はじめ方
鉛筆から始めたらいい。もしも文字を書くことができるなら、ドローイングだってできる。鉛筆と紙を持ち歩いて、形や線を書いて、スキルを磨け。「スキル」の意味もアーティストによってそれぞれ違うものだから、とにかくアイディアを表せるように、そして感情も含むことができるようにする。

3. アーティストのように思考することを学べ
直球にコミュニケーションを取るアーティストはいない。アートは見るだけのものではなく、アートによって戦争だって起こりうる。主題と内容の違いを理解して、最初は主題をみて、そのあとは主題を見えないように内容を理解する。例えば、1960年代に真っ白のキャンバスというだけのペインティングを作ったRobert Rymanにおいて、何でRymanはこんな絵を描いたのか、この絵とアーティストの関係は?この時代にこのペインティングはどう見られていたのか?何が他と違うのか?クラフトとスキルについて、アーティストはどう考えているのか。どのアートも誰かに作られたものなのだから、どんなアートにも作り手のアイデンティティがある。

4. 美術の世界に入るために
貧困になるだろうという現実を受け入れ、成功とは何か、ということを自分で決める。アーティストとしてのキャリアを作るためには、12人のみ必要なのだ。それは、1人の良いディーラー、5−6人のコレクター、2−3人の評論家、1−2人のキュレーター。自分に忠実なアーティストステイトメントを書く。

5. 美術の世界で生き残るために
存在を残すために、オープニングやイベントには参加しよう。コミュニケーションなしでアーティストにはなり得ない。もちろん直接の会話がいいが、地方に住んでいるならオンラインでだっていい。批判やネガティブな評論にだって耐えなければならない。批判を糧に、自分が合っているということを証明しなければいけない。

6. 銀河のような脳を得よ (以下、英文コピーです)

  • What You Don’t Like Is As Important As What You Do Like
  • Art Is a Form of Knowing Yourself
  • “Artists do not own the meaning of their work.” — Roberta Smith
  • All Art Is Subjective
  • You Must Prize Vulnerability
  • Be Delusional


アーティストのための記事ですが、どんな人生にも当てはまるような教訓ばかりです。

この評論家のジェリーソルツ(ロベルタスミスはジェリーの奥さんです)、若い時は美術史のインストラクターやトラックの運転手苦労して美術の世界で成り上がった方なのでこんな記事かけちゃうのかな。



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