Wednesday, June 24, 2015

リチャードプリンス@ガゴシアンUES

暑過ぎます、ニューヨーク。室内は寒過ぎます。

リチャードプリンスと言ったら、インスタグラムのスクリーンショットを引用してキャンバスにプリントして売った’’っと最近アート業界で話題になりましたが、現在ガゴシアンギャラリー/アッパーイーストでは、プリンスのまた違うシリーズが公開中です。

I don't see any difference now between what I collect and what I make.

というリチャードプリンスの言葉で展覧会がはじまります。
村上春樹の翻訳でも有名な、ジョージオーウェルの1984という本が1949年に出版されたのですが、プリンスも1949年生まれ。そして、彼の古本コレクションが、この1984という本の初版をオークションで購入することから始まるのです。






















ということで、こちらの展覧会の作品は全て、古本(プリンスのコレクション)と、その表紙をアプロプリエーションしたペインティングやドローイングになっています。
アプロプリエーションという言葉は、よく現代美術で使用されるのですが、軽くいうとコピーと一緒の意味。しかし、本物を真似して、本物を同じ様な意味のある作品を生み出したい”という考えは全くなく、誰が見てもコピーだと分かる様な作品(インスタグラムのシリーズなど)は、アプロプリエーションだと言えるでしょう。

右のビンテージの本は、プリンスのコレクションで、左のペインティングは、本の表紙をアプロプリエーションしたプリンスの作品です。面白い所が、ペインティングにはプリンスのサインがしてあり、どちらもプリンスの作品の様になっているのです。


大量生産が可能となった現代、ここで言う「オリジナル」であるビンテージの本は、世界に何冊も存在している(た)はずです。しかし、プリンスがアプロプリエーションしたペインティングは現在1つ。「所有権」とは何なのか、プリンスは問いかけ続けます。



にほんブログ村 海外生活ブログ ニューヨーク情報へ

にほんブログ村 美術ブログへ

No comments:

Post a Comment