最近は夏になったかと思ったら、また寒くなってしまって風邪を引きそうです。
先週、Fergus McCafferyで白髪一雄とその婦人、白髪富士子の2人展を見に行って参りました。白髪一雄といったら、あの具体美術協会、その前には田中敦子たちと0会を結成。などなど、日本の戦後の美術史では最も重要なカップル。カップルといっても、私の勉強不足ですが、奥さんの富士子さんの作品を拝見するのは初めてでした。
この巨大ギャラリーの1つ、ファーガスマッカフェリー?(カタカナにすると読めない)、元々はアッパーイーストにあったギャラリーで、今年の始めの方にチェルシーにお引っ越ししてきたみたいです。チェルシー!っという感じの巨大さ。真っ白な壁。
白髪夫妻の展覧会の前に、このオーラルヒストリーがとっても面白いので、お勧めです。白髪カップルだけに限らず、コンテンポラリーで活躍している(た)日本人作家や、業界の人たちの生の声が文字に起こしてあります。歴史の本を読むよりも、頭に入ってき易い。
富士子さんの作品は、使用している色も少なく、サイズは大きいですが、和紙ということもあり、繊細さが感じられます。一雄さんの作品はダイナミックで今にでも絵の具の匂いがしてきそう。
一階には、白髪一雄の作品製作中のビデオ?DVD?が流れていて、本当に足で絵を描いているのです。
アーティストカップルというと、有名なのがジャクソンポロックとリークラスナー、篠原ウシオとノリコ(漢字がわからずすみません)。私はいつも馴れ初めが気になってしまうのですが、白髪夫妻は、お見合い?の様な、親戚の紹介みたいな感じで結婚に至ったらしいです。それも富士子さん19歳、一雄さん23歳。2人はじゃあ、結婚前から美術をやっていたのか?それが、富士子さん、一雄さんが制作するのを見ていて、自分もやりたくなって始めたそうです!
和紙にガラスを貼付けたり、一雄さんとは違う方法でのアプローチでしたが、富士子さんもアーティストとして具体に参加。2人で刺激し合って生きてきたのでしょうか。あんな足でキャンバスに絵の具を塗っている光景を生で見たら、自分もやりたくなってしまう気持ちがわかります。
一雄さんは2008年、富士子さんは今年の1月に他界。
約2年前、モマでTokyoという1960年代から80年代の日本の美術史を追う展覧会があり、同じ年にグッゲンハイムでもGUTAIという具体美術協会の回顧展のような展覧会がありました。それから、日本の戦後の美術を扱うコマーシャルギャラリーが増えた様に思います。
美術館が展覧会を催し、コレクションに入れるとなると、その美術の市場価格はぐんぐん上がるのが自然の原理。みんな美術館が認めた価値を評価するわけです。
それから、オークションで頻繁に具体の作品を見る機会が増えたのですが、去年のパリでのオークションでは、白髪一雄の絵画が、5億円を越えました!これは快挙。誰が得するのかは…
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